2017年3月懇親会ご講話
「聖典の勉強を続けてください」
by スワーミー・メーダサーナンダ師
私はみずから選んで日本に来たわけではなく、本部(インドのラーマクリシュナ・ミッション)の指示で来日しました。見ず知らずの土地、言語、人びと、そしてインドと異なる長い冬に慣れるまではたいへんだったのですが、しばらくしたら、「私は日本に来てなんてラッキーなのだろう!」と思うようになりました。それは日本で素晴らしい人々に出会ってきたからです。 私は日本人が持つ気質や性質をとても尊敬しています。心配り、思いやり、まじめ、正確さ、細かいことをコツコツとやる…。そういったことを私は日本人からたくさん学びました。私が来日した本当の理由はこの学びのためかもしれないと思うほどです。ですがひとつだけ、日本の皆さんにこれを加えてほしい、それがあったらもっと素晴らしい、と思うものがあります。それは真理について考える習慣です。真理、永遠、無限 ・・
そうした霊的なことについて考えたり、瞑想したり、勉強することにもっと親しんでほしいのです。聖典の勉強もそのひとつです。 聖典を勉強する目的は「幸せ」です。聖典の一番の目的は、私たちに安定した幸せと知識をもたらすことなのです。それは「実践」を重要視していて、「どのようにすればもっと幸せに、もっと良い人になるのか」という方法を教えます。個人個人で考えてみてください。どの種類の勉強が私をほんとうの幸せにみちびくか。どの種類の勉強が人生で困ったときにほんとうにサポートしてくれるか。勉強しても、人生が困難なときに何のサポートも与えられないものがあるとしたら、それに存在意義はあるでしょうか。 人生はとても偉大なものです。その気づきがないともったいないです。人間は個人個人、すべての人が素晴らしいかたなのです。なぜなら皆、自分の中に「無限」を持っているからです。「人と向き合うことは、海と向き合うのと同じこと」とことわざで言うとおり、人という存在は海のように無限です。しかしそれをあらわすのが難しい。 無限をあらわす──それが聖典の目的です。ですから聖典の勉強をはじめてください、続けてください、やめないでください。途中で、自分がどれくらい理解できているか、どれくらい実践できているかが気になっても、それについては心配せずに続けてください。やめないで、続ける、それが一番大事です。 続けると無意識のうちに変化していきます。聖典から聞いたこと、学んだことが無意識のうちに潜在意識に入り、自分でわからなくても良い方向に変化していきます。聖典の勉強をする前のあなたと、それをずっと続けたあなたは、ほんとうに違います。聖典を読むこと、聖典を聞くことにはそれほどの力があります。ですから私の助言はただひとつ、「続けてください」「やめないでください」ただそれだけです。
2017年3月懇親会 受講生:感想スピーチ
Oさん
ヨーガをしていて、たまたま作年の永平寺夏期リトリートのチラシを見つけ、参加したのがきっかけです。そのとき皆で歌った「こころに咲く花」という讃歌にはとても感動し、「長い旅につかれた私に平安を」「暗闇の恐れから救いだしてください」というところでは涙がバーッと出て止まりませんでした。「はじめてのヴェーダーンタ」という本にも感銘を受けて、実は今4回目を読んでいるところなんですが、何がすごいのかと言うと、心とは何かということを分析して客観的に書いてある。そして子供のときからずっと疑問に思っていた、人生とは何で、死んだらどうなるのか、といった答えが書いてある。そのうえ翻訳も素晴らしいですし、何回読んでも目からうろこの印象で、ほかの本を読んでもいつもこの本に戻ってきています。この聖典勉強会は「真実を知る」喜び・楽しみを与えてもらっていると感じています。また迷ったとき、悩んだときの心の避難所にも思えています。リトリートにはどなたかのキャンセルが出たから私は行けたのですが、お導きというものを感じています。
Kさん
私は約10年ヨーガニケタンで勉強させて頂いていて、年に一回の学会でいつもスワーミーのお姿を拝見し、書籍の展示も見ているのですが、不思議と去年まではそれで終わっていました。ですが去年の学会で永平寺のリトリートのチラシをもらい、なぜだか理由はわからないのですが、「行ってみたい」と思ったのです。それはタイミングと言うのか、巡り合わせというのかわかりませんが、何かお導きがあったんだなっていうのは思います。以前の講義ですごく心に残っている言葉があって・・・、それは「あってもいい、なくてもいい、なくなってもいい」という言葉です。これは私の日本語のマントラのように感じて、何かあったときにはいつもそれを唱えるようにしています。ほんとに感謝しています。Oさんの影響で、私も「はじめてのヴェーダーンタ」を3回読みました(笑)。
Mさん
勉強会に参加して1年たちました。アマゾンで「バクティ・ヨーガ」を購入したときに入っていたチラシがきっかけでした。以前からバガヴァッド・ギーターやラマナ・マハリシの本が好きで読んでいて、その意味についてよく考えていました。この勉強会に参加してよかったことは、スワーミーがわかりやすく教えてくださることと、質問ができること、そして同じスピリチュアルなことを学ぶ人たちに出会えたことです。純粋な食物をとること、方便も嘘も言わないようにすること、静かなところで静かに考えること、自分が執着しているか分析すること、神を思うこと───このように教えて頂いたことを日常生活で実践しようと心がけています。勉強会に参加してから自分が変化したと思うことは、さまざまなことに執着しなくなったことです。それでもときどき世俗のことに巻き込まれてストレスを強く感じている、と気づくこともあるので、2ヶ月に一度でもスワーミーにお会いして、この勉強会に参加することは、自分の心の状態をよく継続することに役立っていると思います。新たな気持ちで世俗の海を渡っていける状態に感謝しています。これからも勉強を続けます。よろしくおねがいします。